南北線

2007年12月のパネル展で展示された、開発当時の2000形車両

札幌を南北に縦断する緑の動脈

路線概要車両その他主要諸元表


路線概要

1972(昭和47)年の札幌冬季五輪に合わせて、わずか3年と言う突貫工事、札幌駅前や中島公園のボート池の真下、豊平川の下などの難工事を経て、1971(昭和46)年12月に北24条〜真駒内間が開業した。1978(昭和53)年には北24条〜麻生間が延長されて現在に至る。

南平岸(開業当時:霊園前)〜真駒内間は旧・定山渓鉄道の敷地を走っており、この区間の地上部は雪対策のためにすべてスノーシェルターで覆われている(シェルターに積もった雪は、深夜に手作業で落とす)。まったく雪に影響されない運行が出来るが、一方で長距離建造物の宿命で近隣の民家ではテレビの電波障害も発生、市がアンテナを整備している。

全国初のゴムタイヤ駆動式の地下鉄で、南北線は750V第3軌条方式を採用。
南北線は住宅地・繁華街(すすきの)・市街地(大通・さっぽろ・JR札幌駅)を通過しているため、札幌市内では最も利用されている路線である。
ラインカラーはグリーン。


開業時には2000形(当時は1000形とも呼ばれていた)が走っていた。
麻生延伸時に東西線6000形を参考に開発された3000形が導入された。
1995(平成7)年には北海道で初めてとなる(そして唯一)4ドア車5000形を導入。


2013(平成25)年3月までに全駅にホームドア設置完了、同年4月1日よりワンマン運転が開始された。
扉位置の異なる3000形は、ホームドア設置に先立って2012年3月25日をもって運用を離脱した。

開業当時の南平岸駅は「霊園前駅」だったが、1994(平成6年)年に駅名変更されている。
(これは市営地下鉄で唯一の駅名変更)


南北線の車両基地は、自衛隊前駅の先にある南車両基地である。
地上部にあるため、真横の五輪通から留置されている車両を見ることが出来る。


2006(平成18)年1月のナンバリングの導入に伴い、南北線の路線記号は「N」となった。
(NambokuのN)


日本の公営地下鉄では数少ない黒字路線である。

駅一覧
駅名
(ナンバー)
読み方 ホームの形 エレベーター設置出口 備考
麻 生
(N-01)
あさぶ 東急ストア 渡り線あり(折返し可能)
北34条
(N-02)
きたさんじゅうよじょう 対面 3番
北24条
(N-03)
きたにじゅうよじょう 3番 渡り線あり(折返し可能)
北18条
N-04
きたじゅうはちじょう 対面 エレベーター出口・2番 改札直結構造駅
北12条
(N-05)
きたじゅうにじょう 対面 1・2番 改札直結構造駅
さっぽろ
(N-06)
さっぽろ 2・12・14番、北濃ビル他 東豊線・JR線乗換え
大 通
(N-07)
おおどおり 対面 西1丁目・西3丁目・37番他 東西線・東豊線乗換え
渡り線あり(折返し可能)
すすきの
(N-08)
すすきの 対面 4番他
中島公園
(N-09)
なかじまこうえん 対面 1番
幌平橋
(N-10)
ほろひらばし 対面 1番
中の島
(N-11)
なかのしま 対面 1・2番 改札直結構造駅
平 岸
(N-12)
ひらぎし 対面 1・3番 改札直結構造駅
渡り線あり(折返し可能)
南平岸
(N-13)
みなみひらぎし 改札内のみ 地上駅
澄 川
(N-14)
すみかわ 改札内のみ 地上駅
自衛隊前
(N-15)
じえいたいまえ 対面 改札内のみ 地上駅 南車両基地
乗務区所在駅

渡り線あり(折返し可能)
真駒内
(N-16)
まこまない 北改札 渡り線あり(折返し可能)

車両

南北線1000形/2000形車両 1000形/2000形
札幌で初めて走った地下鉄車両。抵抗制御方式で2両永久連接方式である。そのため車体は13.5mとかなり短く、1両にドアは片側2箇所。開業当時は2両編成を1000系、4両編成を2000系としていた。そのため先頭車両だけをつなぎ合わせた編成も存在した。1978(昭和53)年の南北線北24条〜麻生間開業の時に全車8両編成とされ、2000形に統一された。製造時期で窓の大きさや化粧板の色などが大きく異なる。貫通路は大きな楕円形の通路と一般的な長方形の通路が交互に配列されている。
1999(平成11)年6月に引退し、2両のみ交通資料館に保存されて残りは廃車解体された。

※保存車両は1001・1002となっているが、これは元々1001・1002から改番された2320・2420が再び元に戻って展示されている。

南北線3000形 3000形
南北線北24条〜麻生間開業に合わせて、2000形8次車として導入されるも形式が異なるために3000形となった。1978(昭和53)年に第1編成が導入され、隔年で増備されたため編成数が少なく、2005(平成17)年に第1編成が廃車。以降2010(平成22)年以降順次廃車となり、2012年3月25日に第5編成が運用を離脱、引退した。
東西線の6000形の技術を持って製造されたため、随所に2000形との違いある。チョッパ制御方式で、東西線車両のようにドアブザーがある。導入後のリニューアルで全編成に車椅子スペースや連結部転落防止外幌が取り付けられ、2003(平成15)年からは自動放送も行われるようになった。行先表示器は2000形同様の幕式だが、302号車の車両前面の行先表示器はLED化されている。

2007(平成19)年、ドアに点字シールが張られたが、3000形のみ札幌市営地下鉄で唯一「8号車」の表記があった。


ホームドア設置の際、第5編成が引退後も事業車両としてホームドア運搬に利用されていた。

南北線5000形 5000形
1995(平成6)年に導入された南北線の最新車両。慢性的なラッシュ対策として1両4ドアとし、これまでの南北線車両よりも車長が長く、18m(6両編成)となった。乗降口は2000形・3000形の16箇所から24箇所に増えた。
札幌市営地下鉄の車両としては初もの尽くしで、VVVF制御、自動放送(2002年から英語放送も追加)、シングルレバーマスコン、進行方向に垂直に設置された吊革などが採用されている。また3000形と異なる台車となった。その他に車椅子スペース、LED+マップ式の車内案内装置、ドアブザー、連結部転落防止外幌も設置されている。
2009年に増備された第18編成からは、LED案内装置に代わってLCDモニターによる案内装置が取り付けられた。詳細はその他を参照のこと。

南北線の主力車両として現在20編成が活躍中。

第1・2編成のみ吊革の高さが異なっている。ワンマン運転に向け、1〜17編成は所定の改良工事が成された(18編成以降は落成時より対応)。


北海道を走る鉄道車両として初、そして現在まで唯一の4ドア車である。

その他
・2008年12月15日から、「女性とこどもの安心車両」が導入される。設置車両は北行・南行きともに真駒内側の先頭車両(1号車)。時間は平日ダイヤの始発から9時まで(9時で一斉解除)。
・2009年11月に登場した5000形第18編成は、実に10年ぶりの増備となった。外観こそ同じものの、当初からワンマン運転仕様として登場。内装も高低差のある吊革、連結部分の貫通扉設置、スタンションポール、LCDモニターによる車内案内などこれまでの5000形とは異なる仕様となった。

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